Photo by Musa @ Turkey

May 11, 2011

三ヶ月以上ぶり

久しぶりにブログでも書こう。

何かこの三ヶ月くらい色々なことがあり過ぎた。

住んでるエジプトではいわゆる“革命”が起きて、軽くそれに巻き込まれ、公私ともにドタバタ。
それが落ち着いて、ようやく普通の生活に戻れると思いきや祖国で未曾有の大震災に原発の一件。

何か身の回りで色々なこと起き過ぎて、少し疲れましたな〜

ちなみにここで強調したいのは、大震災時に海外にいたからって、ただの一度も「ラッキー」だとかなんて思ったことはありません、ということ。むしろ日本の被災地域以外の人の平均値より凹んでますよ、きっと。
しかも結構テンぱる。

何でしょうね〜この感覚。
不思議。
タクシーの助手席座りながら外眺めてたら、不意に涙が出てきたり。
特定の誰かでなく、“日本”を思って自然とポロポロ涙が出てくるなんて初めてかも。

でも、一点だけ救われたのは、色々な国の人が同じように心を痛めてくれていることを知れたこと。エジプト人、アメリカ人、インド人、イエメン人、付き合いのある色々な国の人が一様に電話やメールでお見舞いの言葉をくれる。
日本が愛されている(少なくとも嫌われてはいない)ことがわかった。

しかしエジプト人、優しい人多いね。
二年近く住んでるけど、初めてタクシーの運転手から「お代はいらないよ」って言われた。
車中で地震の話してたからだと思う。
しかも二人の運ちゃんから一ヶ月以内に立続けに言われた。
もちろん、お金は無理矢理渡してきました。
彼らの気持ちは俺が受け取って、被災地に届けました。

今の自分にはなにも具体的なことは出来ません。
しかしあえて一つ挙げるとすれば、「復興後の日本を背負って立つ気概を持って、目の前の任務に取り組むこと」です。

アラビア語一生懸命やって、頑張ってくれた日本のみんなに「後は俺らに任せろ」と胸を張って言えるよう、震災で弱った日本の国際的なプレゼンスを震災前以上に高められるよう、努力したいと思います。

震災後の日本を引っ張っていくのは俺らの世代だもの。

Jan 28, 2011

エジプト情勢(報道と庶民の温度差)

先のエントリー↓では、今回の一連のデモは今の時点ではエリート層によるものだと書きましたが、やっぱりそのようです。
事実、今日は何となく近所の人や売店のおばちゃんなんかに「明日でっかいデモあるんでしょ?」とか聞いてみましたが、「う〜ん、よく知らない」的な返事が多かった。「お〜よ、ムバラクを倒すぜ!」的な威勢のいいコメントは聞かれなかった。俺が外人だから多くは語らない可能性はあるが。

何かこの辺がFacebookを中心としたデモなんだな〜って感じがします。
報道やネット上の殺気立った空気と、いつも通りおじちゃんたちがお茶飲んでダラダラしてる道ばたの風景があまりにもギャップがあり過ぎて、よく分からんのですよね。
「あれ、緊張してんの俺だけ?」
みたいな・・・


このあたりのことはデモ主催者側も分かっているのか、というかむしろ自然な流れなのかもしれませんが、明日のデモ実施場所に関してはモスク(イスラム教徒の礼拝所)を中心に据えました。明日は金曜日で、イスラム教徒がモスクに礼拝に行く日です。
この礼拝には当然ネットユーザー以外も集まるので、抗議行動参加者数が更に膨れ上がる可能性は否定出来ません。
(当局は明日の礼拝を禁止した、との情報もありますが・・・)

デモが起きそうな場所に関しては、以下、大使館領事部からのメールを転載します。

*******【転載】********************

平成23年1月27日

在エジプト日本国大使館領事部





デモ・集会に関する注意(平成23年1月27日付:その2)





報道等によれば、デモの主導団体は、以下のカイロ各地区のモスク、教会をあげ、28

日には各人が居住する近隣施設にてデモ等に参加するよう呼びかけています。



1.ナセル・シティ地区:ラービアトゥル・アダウィーヤ・モスク、最寄りの教会

2.アッバセイヤ地区:アルヌール・モスク、カテドラル

3.ラムセス地区:アルファタフ・モスク、最寄りの教会

4.タハリール地区:オマル・マクラム・モスク、アルドバラ・パレス教会

5.アッサイーダ・ザイナブ地区:アッサイーダ・ザイナブ・モスク、最寄りの教会

6.アズハル地区:アズハル・モスク、最寄りの教会

7.オールドカイロ地区:アムル・ブン・アース・モスク、マルギルギス教会

8.マトリーヤ地区:マトリーヤスクエア・モスク、最寄りの教会

9.シュブラ地区:ハジンダルモスク、最寄りの教会

10.モハンデシーン地区:ムスタファマフムード・モスク、最寄りの教会

11.アルハラム地区:ナセルッディーン・モスク、最寄りの教会

12.ギザ地区:アル・ガマイーヤ・アル・シャルイーヤ・モスク、最寄りの教会

13.ドッキ地区:アサド・ブン・フラート・モスク、最寄りの教会

14.アルマルグ地区:新マルグスクエア・モスク、最寄りの教会

15.10月6日地区:アルフサリ・モスク、最寄りの教会

16.マーディ地区:アルファタフ・モスク、最寄りの教会

17.ヘルワン地区:アルマラギ・モスク、最寄りの教会

18.アルサラム地区:アブー・バクル・アッシッディーク・モスク、最寄りの教会

19.ファイサル地区:アール・ムハンマド・モスク、最寄りの教会



上記はあくまで例示であり、デモや集会は、上記以外の場所においても突発的に行われ

ることが予想されますので、本27日付「デモ・集会に関する注意」のとおり、引き続き

ご注意ください。
*******【転載終わり】****************


って、モスクの名前挙げられてもほとんど知らんし(笑)


そういえばアラビア語を教わっているエジプト人家庭教師が今日の授業が終わった後、

「俺は明日のデモに参加する。俺に何か(死ぬ、拘束etc)あったときのために妻の電話番号を教えておくよ。俺が来週、約束の時間に現れなかったら妻に連絡してくれ。」

と言い残して去っていきました。

感動の別れだったのですが、ふと気づいたら俺のライターをポケットにしまってるのを目撃してゲンナリ・・・w(このおっさん、自分のライターは使わない上にクソ目が悪いらしいから勘違いして、、、だと思いたい・・・)

ったく、エジ人は手癖が悪い(涙)

まあいいわ!そんな2ポンド(30円)のライターでよけりゃ、冥土の土産に、もってけドロボー!!!

エジプト情勢(大きな混乱の兆し)

エジプトの過激化するデモに関しては日本でも報道がされているようですね。
正直、当初は楽観的な見通しを持っていたのですが、どうやら民衆の勢いが結構すごい。
想像以上。

エジプトで何らかの“革命”的なことが起これば、それによる混乱はチュニジアの比ではないということ。
中東和平やアメリカの中東政策にも大きく影響するのではないでしょうか。

ざっと何が起きているか説明。
祝日だった25日、チュニジアのジャスミン革命に呼応するかたちで、1977年以来最大の反政府デモが起きました。
あくまでこのデモは届け出がなされた合法的なものだった。
しかし、この日のデモがあまりに広がったためか内務省は翌日以降一切のデモを禁止しました。

自分はここに至っても「臆病なエジプト人は禁止されたらデモやめちゃうんでしょ」と思っていたが、結果的にデモは続いた。
この時点でのデモは非合法活動。治安当局側も神経を尖らせているので、カイロやスエズという街をはじめとして、全国的にデモ隊と治安部隊との衝突が続いた。

そして28日金曜日(エジプトは休日)、さらに大きなデモが計画されている。

ざっと流れを追うとこういうことですが、実際のところは情報が錯綜していて何がなんだかよくわからない。FacebookやTwitterも制限されているようで繋がらないことが多いし。
なんか蚊帳の外(この場合「蚊帳の中」かな?)にいた「ムスリム同胞団」も28日のデモには参加表明をしたとの情報もあり、無いと思っていた反政府勢力の団結も見られる。

さらに混乱させるだけかもしれませんが、自分もここでヒュミント情報や報道やらで気になったものまとめてみます。

たまに()の中に書かれている謎のカタカナは、その単語のアラビア語のカタカナ読みです。

*****************************
【現在の国内情勢について】
・スエズは“戦争状態”(先方発言ママ)にある。1人の将兵が感情の安定(イッティザーヌ)を失い、銃乱射により市民3人を殺害した。これに怒った市民が一斉にデモになだれ込んだのがきっかけ。

・死者はどれだけ少なくても30人は出ている、というのは人づてに聞いた内務省関係者の話(注;報道では死者は4人程度とされている)。

・軍がスエズに入ったとの情報もある。

・カイロ市内のデモ鎮圧に際しても実弾が使われた。実際に銃弾を足に受けて病院にいる人もいる。

・噂されていた、ガマール・ムバーラクとその家族及びスーザン・ムバーラク(大統領夫人)のロンドンへの脱出については確実っぽい。カイロ南の空軍基地からロンドンに脱出した。現在は駐英エジプト大使の庇護下にある。ムバーラク大統領本人は、シナイ半島(おそらくターバ。イスラエル国境近く)にいるとみられる。

・一般のエジプト人(アーディユーナ、シャービユーナ)は、今のところデモには参加しておらず、一昨日からのデモはエリート層(ナフバ(複;ヌハブ))によるものである。しかし、過去のデモと異なるのは、職種やイデオロギーの括り無しに、多数のエリートグループが参加したことである。

・今回のデモを指揮した人物というのはいない。あえて言うならばFACEBOOK(以下FB)である。エジプトにおけるFBは、エリート層にとって全てのメディアの代わりになった。エジプト人は(日本人の閉鎖的な使い方とは異なり)知らない人であっても構わず友人リストに加える。FBが革命を起こす、とまでは言わないが、少なくともデモの継続に大きな助けとなっている。

・電子戦争(発言ママ)の側面も見せつつある。大手通信会社モビニールのオペレーションルームは治安当局の管理下にある。他方で、ハッカーが国民民主党のHPをハックしようと試みているようである。

・デモで叫ばれるスローガンは25日の一日のうちに大きく変わった。当初(午前中〜昼過ぎ)は物価高騰に怒るスローガン(1977年の大規模デモの際に使われたスローガンをそのまま現代に置き換えたもの)だったが、夕方以降「ムバーラクを追い出せ」に変わった。物価高騰に関するスローガンは今となっては誰も使っていない。

・昨日は新聞社にもデモ隊が詰めかけた。


【今後のシナリオ】
・今回の一連のデモで、少なくともガマール氏が大統領になる可能性はゼロになった。

・万が一ムバーラク大統領が政権を放棄する場合、暫定的ではあれ国のトップに座る人物は、ムハンマド・エルバラダイ氏(元外交官、国際原子力機関(IAEA)前事務総長、ノーベル平和賞受賞者)の可能性が最も高い。それは以下の理由による。(1)米国、欧州をはじめ、世界中が認識している政治的存在であること、(2)国内のどの政党、運動、非合法組織にも属していないこと、(3)既に70歳近くで、年齢的に長期政権を敷く可能性が低い、などである。

・貧民層がデモに参加しようとカイロに詰めかけた場合、街はカオス(ファウダー)になる。彼らは本当に飢えている。ゴミを食べて生活しているような最貧層がやって来た場合、スーパーや商店への略奪が起こるかもしれない。もっとも、明日のデモをはじめ、近い将来の貧困層の参加は無いと思われるが、もしこの流れが長期化する場合はこの限りでない。

【軍の立場】
・未だに軍の立場が明確ではない。1977年のデモでは軍が出動しデモ隊を鎮圧し、サダート大統領を守ったが、今回は軍がガマール氏が大統領職に就くことをを嫌っていることからか、必ずしも積極的にムバラク側を守ろうとはしていないようである。むろん、民衆の側につけばクーデターになってしまうので、そこまでのことは意図していないと思われる。


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とりあえず以上。

或る人が、エルバラダイ氏が暫定的にでも国のトップにあるというのを説明するとき、サッカーを例に出していたのが面白かった。

エジプトではアハリーとザマーレクというサッカーチームの試合が、日本プロ野球でいうとこの巨人阪神みたいなもんで、すごく盛り上がる。盛り上がり方は巨人阪神戦の比ではない。

で、この2チームの試合に関しては、審判が外国人なのだそうです(エジプト人の99%がこの2チームのどちらかのファンと言われているので、エジプト人審判だと中立性が損なわれるから、らしい)。

エルバラダイはムバーラク後のエジプトにおいて、「外国人審判」のような存在になりえる、とのことでした。

まずは、明28日の大規模デモの動向を注視せねばなりません。

(了)

Jan 8, 2011

【エジプトと宗教】え?僕がイスラム教徒?

ってことがエジプトでは稀に起こるらしい。
何のことでしょうか。

【エジプト人Aさんのケース】
カイロの下町にキリスト教徒(コプト教徒)の家族(夫婦&その子ども(Aさん))がおりました。
家族は幸せに暮らしていたのですが、ある日、父親が蒸発。
どうやら不倫相手のところに行ってしまったようです。

悲しいかな、家族は離ればなれ。
残されたAさんは母親と静かに暮らしていました。

さて、時期が来てAさんも学校に通うことに。
すると初日に先生がAさんにこう言います。

「君はイスラム教徒だから、コーラン(イスラム教の啓典)の授業を受けてね。」

Aさんはビックリ。
「いや、僕はキリスト教徒です。毎週教会に通っていますし、ほら、手首には十字架のタトゥーも彫ってあります。」

先生曰く
「戸籍上はイスラム教徒になってるよ。お父さんがちょっと前にイスラム教に改宗しているからね。」

Aさん「いや、両親はもう離婚し・・」

先生「それは関係ないみたいだよ。とにかく、君はイスラム教徒なんだ。」


どうやらAさんの父親はイスラム教徒の女性と恋に落ち、彼女と再婚すべくイスラム教に改宗したようなのです。


エジプトには主にイスラム教徒(人口の90%)とキリスト教徒(10%)がいます。
この両宗教間。現在の制度ではキリスト教徒がイスラム教に改宗することは認められていますが、イスラム教徒がキリスト教に改宗することは認められていない、とのことなのです。

イスラム教、入り口は凄く大きいけど出口はない、ということ。

そして、親がイスラムに改宗した場合、子どもも自動的にイスラム教徒になり、イスラム教徒の名前が登録されます。

これは、憲法上「信仰の自由」が保証されているにも関わらず、シャーリア(イスラム法)を主要な法源として採用することが同じく憲法上定められており、現在採用されているシャーリア上はこのような法制度になっていることが原因らしいです。

イスラム教というのは、預言者ムハンマドが商才に長けた人物だったと言われていることからもわかるように、「商人(あきんど)の宗教」で、どんどん信者が増えるような仕組みになっているのです。

今回のAさんの場合も、行方不明の父親が、Aさんの知らないうちにイスラム教に改宗していたので、息子であるAさんも戸籍上は勝手にイスラム教徒になっていた、ということです。
そして、先述のように「イスラム教徒がキリスト教に改宗」することは認められないため、Aさんはもうキリスト教徒には戻れないのです。。。

【So what??】
さて、ここまでの話だけだと、「宗教や信仰は内面の問題である」と考える日本人には重大性が見えてこないと思います。

まず、Aさんのストーリーにも出てきた「学校」の話。

エジプトの学校では週に何回か「宗教」の授業があります。
この授業ではイスラム教徒とキリスト教徒に分かれ、それぞれコーランや聖書を読んだりするようです(若干細かい話ですが、この授業が行われる際、イスラム教徒の児童は教室に残り、キリスト教徒の児童が他の教室や屋上やらに移動させられることになっているらしいです。)。

要するにAさんは自分が信仰している聖書を読ませてもらえず、無理矢理コーランを読まされることになるのです。

また、エジプトでは戸籍に「宗教」を記載する欄があり、同様に各自が保有するIDカードにも宗教欄が設けられています。

Aさんの場合、いくら自分のことを「キリスト教徒だ」と言ってみたところで、IDには「イスラム教徒」とハッキリ記載されるわけです。

こうして憲法で高々と掲げられている「信仰の自由」が思いっきり侵害されているわけです。

ちなみにこのIDカードの宗教欄。
信仰の自由の侵害に加え、イスラム教徒(多数派)によるキリスト教徒(少数派)に対する差別の原因にもなっているようです。


【キリスト教徒に対する差別・偏見】
イスラム教徒とキリスト教徒は常に緊張状態にあるというわけではありません。
でも、両者間には、根っこの部分にちょっとした壁があるような気がする。

極端な例かもしれませんが、あるイスラム教徒は「キリスト教徒は汚い」と言い、キリスト教徒の家でお茶や食事が出されたら気持ち悪くて食べたくない、とまで言います。
その理由が「キリスト教徒はトイレでウォシュレット(注)を使わないから」とか「左手でモノを食べるから」とかですから笑っちゃいました。

(注1;ここでいうウォシュレットは日本のものとは似ても似つかない、エジプト版のかなり簡易的なもののことでして、俺からすると逆に使ったら汚れるうえに変な病気になるんじゃないかと思える形状のものばかり。便器の中から錆び付いたパイプがぐねっと上向いて出てて、そこからチョロチョロ水が出てくる、というもので、うちのトイレは新しいこともあってまだマシなのですが、エジプト人に家のトイレ使わせるとこのウォシュレットのせいで大体床がビチャビチャ・・・勘弁してくれ。。。)

また、乗ったタクシーの運転手がキリスト教徒だったことが何回かありますが、どの人も「エジプトにはキリスト教徒に対する差別がある、生活し難い」と言います。
本当か嘘かわかりませんが、病院やらお役所やらで窓口が混雑しているとき、普通は先着順ですが、受付担当がイスラム教徒だったりした場合、まずイスラム教徒から優先的に呼ばれていく、なんてことがあるそうで(ちなみにエジプトでは名前だけでイスラム教徒かキリスト教徒か判断できることが多いので、色々な場所でこういったことが起こりうる)。

加えて、宗教欄の存在のせいで、例えば就職のときなんかに「キリスト教徒は受け付けない」といった差別もされるそうです。

去年のイラクでの教会襲撃事件、元旦のアレクサンドリアでの教会爆発事件はこういった問題(具体的に言うと、とあるコプト司祭の妻がイスラム教に改宗するのを司祭が嫌がってその妻を監禁してるとか、そんなん)を利用したものだった、といえると思います。

解決にはIDの「宗教欄の廃止」とキリスト教への「改宗を認めるシャーリアの採用」以外に無いと思いますが、アレクサンドリア以降の動向(結局コプト教徒のクリスマスには何も起こらなかったようで一安心だが、問題は何も解決していない)も踏まえ、エジプトの二大宗教の関係と「ムスリムの国」エジプトは果たしてどうなっていくんでしょう。

エジプト キリスト教ミサでテロ警戒

Jan 4, 2011

アレクサンドリアの教会における爆発事件を受けてエジプト在留邦人への注意喚起

の類いが在エジプト大使館からは出ていない(年末年始の休みとはいえ、こんな大きなテロが起きたのに。。。。)一方で、在エジプト米国大使館は既にHPに声明載せたり、在留アメリカ人への注意喚起のメールを発出してます。


そんなわけで米国大使館が米人コミュニティ向けに出したメールを入手したので転載しておきます。

警察や軍も敏感になってるのでむやみに写真を撮らないとか、ショッピングセンターや人の多く集まる場所に極力行かず、行っても長居はしないとか、いつも以上に身の回りに御注意ください。

エジプトに住まわれている皆様、それから旅行中あるいは旅行を計画中の方は国務省のHPで(泣)情報収集に努めてください。

(にしても、海外旅行者がウェブ上で自分の旅行情報とかを国務省に登録出来るって、すごいな〜)


Date: January 3, 2011

To: The American Community

From: Embassy of the United States, Cairo

Subject: Warden Message No. 1 – Bombing Attack in Alexandria on
January 1, 2011 and its Aftermath

This warden message is being issued to inform U.S. citizens residing
and traveling in Egypt of the bombing attack which occurred in
Alexandria early on the morning of the 1st of January, with 22
reported deaths and dozens of injured from both the Christian and
Muslim communities. The U.S. Embassy is continuing to monitor the
aftermath of this event, including numerous post-attack demonstrations
which have occurred in areas throughout Egypt.

The Egyptian Government has visibly increased security levels
throughout metropolitan areas, around major tourist sites and at
public venues such as churches and shopping centers. The U.S. Embassy
encourages American citizens to remain alert to their surroundings and
to practice good personal security measures. Americans are reminded
that any gathering has the potential for confrontation, and violence
and areas where protestors are gathering should be avoided.
Additionally, crowds or demonstrations will likely cause significant
traffic disruption on adjacent roadways.

Due to the large police presence, the U.S. Embassy also reminds
American citizens of the Egyptian Government prohibition on
photographing police and security activities.

American citizens should stay current with media coverage of local
events and be aware of their surroundings at all times. Americans
traveling abroad should also monitor the U.S. Embassy’s and the
Department of State’s websites, where Worldwide Cautions, Travel
Warnings, Travel Alerts, and Country Specific Information can be
found. The U.S. Embassy also encourages U.S. citizens to review "A
safe trip abroad", which includes valuable security information for
those both living and traveling abroad. In addition to information on
the Internet, travelers may obtain up-to-date information on security
conditions by calling 1-888-407-4747 toll-free in the United States
and Canada, or outside the United States and Canada on a regular toll
line at 1-202-501-4444.

American citizens are advised to maintain valid travel documents and
register with the Department of State or the U.S. Embassy Cairo
through the State Department travel registration website,
https://travelregistration.state.gov. For further information, U.S.
citizens may call the Embassy’s American Citizen Services Unit at
2797-2301 during business hours, Sunday to Thursday from 8:00 a.m.
until 4:30 p.m. For emergencies after business hours and on weekends
and holidays, U.S. citizens can contact the Embassy Duty Officer via
the Embassy switchboard on 2797-3300. The Embassy is located at 5
Tawfik Diab Street (formerly known as Latin America Street), Garden
City, Cairo.


This email is UNCLASSIFIED.

Jan 1, 2011

新年早々

国際ニュースを賑わせたのはエジプトでした。う〜ん。


http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011010100095

キリスト教会にテロ、21人死亡=宗教間対立悪化も−エジプト

 【カイロ時事】エジプト北部アレクサンドリアにあるキリスト教会の前で1日未明、自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、AFP通信が政府当局者の話として伝えたところでは、21人が死亡した。犯行声明などは出ていない。
 捜査当局によると、同日午前0時すぎ、教会前に止められた信徒の1人が所有するとみられる車が爆発した。この影響で付近のモスク(イスラム礼拝所)も損傷した。
 エジプトではキリスト教系のコプト信徒が人口の約1割を占め、教会建設などをめぐってイスラム教徒や当局との間でしばしば衝突が起きている。この日のテロ後にも両信徒が投石し合うなどしており、宗教間の対立感情が悪化する可能性がある。(2011/01/01-17:10)




http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/110101/mds1101011852002-n1.htm

厳戒態勢となったエジプトの爆弾テロ現場 抗議の暴動で商店破壊、車も炎上
2011.1.1 18:50

 1日未明、爆弾テロが発生したエジプト北部アレクサンドリアのキリスト教教会周辺では、治安部隊が多数展開し、厳戒態勢が敷かれた。冷たい雨が降る中、近くには数百人の住民が集まり、不安そうに現場を見つめた。

 近くに住むムハンマドさん(20)は「ものすごい音で耳が聞こえなくなった」。爆発後に起きた暴動では、近くの商店が破壊されたり、車が燃やされたりしたという。

 爆発が起きたクッディシーン教会のすぐ目の前にはモスク(イスラム教礼拝所)があり、内務省によると、イスラム教徒も多数、爆発に巻き込まれた。

 市内に住むタクシー運転手の男性は「アレクサンドリアは安全な街だった。こんなことが起きるとは信じられない!」と憤慨。別の男性会社員は「イスラム教徒も犠牲になるなんて。こんなテロは許せない」とため息をついた。

 爆発は、年がかわったばかりの0時半ごろ発生。教会では当時、新年を祝うミサが行われており、信者数千人が集まっていたとみられる。

 イスラム教スンニ派最高権威のアズハル機構は「エジプト国民の分断を狙った攻撃だ」とテロを強く非難。エジプトのムバラク大統領も、キリスト教徒とイスラム教徒双方に、ともにテロと立ち向かうよう呼びかけた。

 エジプトの人口の約1割はキリスト教の一派であるコプト教会の信者で占められている。最近では、カイロ近郊で教会の建設が中止されたことをめぐり、キリスト教徒側が抗議デモを行うなど、イスラム教徒との反目が強まっていた。

 また昨年秋には、イラクの教会を襲撃した同国の国際テロ組織アルカーイダ系武装勢力「イラク・イスラム国」が、エジプトのキリスト教徒への攻撃を呼びかけたことなどから、エジプト当局が各地の教会周辺での警戒を強めていた。(アレクサンドリア 大内清)